心配性



















「だぁ〜!うっせぇ!俺は大丈夫だってさっきから言ってんだろぉがぁ!!!!!」

そう怒鳴っているのはナルト。






それは数分前に遡る・・・・。

ナルトの性格は、皆さんご存知だと思う。
しかし、あれは【表のナルト】

本当のナルトは『〜だってばよ!』とかは使わない。


つまり【裏のナルト】が存在しているということ。



表のナルトはドベで馬鹿でおっちょこちょいで五月蠅い。
なんとも頼りがいの無い奴。

しかし、それは悪魔でも演じている。

本当のナルトはとても強い。

暗部に所属しており、そして頭も良く、常に冷静。
表のナルトとは全く正反対。



まぁ・・同じ所と言えば・・・・・九尾が居る事だが・・・。








ちょっと話しが長くなっちゃったわね!

さて、本題に入ります!



何故ナルトが怒って居るか。
それは・・・・・・

私が心配性のためです・・・・・。



普段はそれほどでも無いんですが・・・・、ナルトの事となると私は凄く心配性になってしまうのです。

何故かと言うと、


私とナルトは付き合って居るから。

彼女として彼の事を心配するのは当然です!!









ナルトはこれから暗部の任務で、出かける事になっていたのです。

ナルトはかなり強いですが、暗部の任務と言えば危険な事ばっかり・・・・。

ま、ナルトが負けるはずないんですけどね♪









「この俺が負けるとでも思ってんのかぁ?!」

「思ってないけど!だけど・・・・心配じゃない!!」

「大体は心配し過ぎなんだよ!」

「そりゃぁ・・・付き合ってるんだから心配ぐらいするわよ!!」

「でもいくらなんでもしすぎだろ!!毎回毎回!」

「だって・・・暗部の任務って凄く危険じゃない・・・・」

「・・・・・・・・もう俺行くからな」






いつもこの調子・・・。
ナルトは本当に私の事が好きなのかな・・・。





「すぐそうやって逃げ出そうとして・・・・。もう・・・・っ!!私知らない!ナルトなんて大っ嫌い!!」


そう言い私はナルトを背に家を出て行った。


背後の方にナルトの声が聞こえた気がしたけど、そんなのどうでもいい。









「はぁ〜・・・・思わずあんな事言っちゃったけど・・・。どうしよう・・・・」



近くの公園でブランコに乗り、これからの事を考えて居た

















「・・・・やっぱ・・・私が悪いのかな・・・・」



「・・・謝ろう・・」

そう言い、ブランコから下りて公園を出ようとした瞬間、誰かに腕を掴まれた。




後ろを振り返って見ると、そこには結構イケ面のお兄さん方が数人。



「お嬢ちゃん、こんなとこで悲しそうな顔をしてどうしたのかなぁ〜?俺達が慰めてあげるよv」

「い・・・いえ・・・。遠慮しときます・・・」

「まぁまぁそんな事言わずにvv」

逃げ出そうとしたが、ぐいっと引っ張られてしまった。


「あ・・・あの・・!急いでるんで・・・・!!」

しかし、どんな言い訳も聞かず、人通りが無い所へ連れ込まれてしまった。




「もう邪魔は入らないからなvお兄さん達と良いことしようかv」



そう言った男がに近づいて来る。


「や・・・・やだ・・・・!!」


誰か助けて・・・・!そう心の中で呟いた瞬間、男達の悲鳴が聞こえて来て、辺りはシーン・・・となった。


不思議に思い、恐る恐る目を開けてみると、そこにはサスケの姿が・・・・。


少し期待していたは、心の中で肩を落とした。






「大丈夫か・・・?・・」

「あ・・・うん・・・ありがとう・・・」



「ったく、お前はいつもボーとしていて・・・・。だからこんな事になるんだよ・・・」

「・・・っ、余計なお世話よ!!」


二人で顔を見合わせ、クスクスと笑い合った。


「それより、何かあっただろ・・・?」

サスケの唐突な質問で、はギクリと思ったが、なんでもないよ、と誤魔化した。




「嘘付け・・・。何年お前と幼馴染やってると思ってんだよ・・・・」




そう・・・・。サスケとは仲の良い幼馴染。




「・・・あぁ〜やっぱサスケにはわかっちゃうかぁ〜」

「・・・フッ、当然」


「・・・うっわぁ〜。またいつもの俺様出たよ」

「・・・・・意味わかんねぇ事言ってんじゃねぇよ」


「まっ、確かに何かはあったけど、サスケには内緒v」






ナルトの本性を知っている者は火影様と上忍の数人なのだ。


もちろんサスケも知らない。




「そんな事言っといて・・・・。本当は彼氏とやらの事じゃないのか・・・・・?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・さぁどうでしょう」

「・・・当たりだな」


「本当にサスケは勘が良いんだから・・・・」






「まぁ・・・くだらない事でちょっと喧嘩したのよ・・・」

一瞬見せたの悲しそうな顔。



それを見たサスケはの頭にポンっと手を置き、優しく撫でた。




「もし・・・・嫌になったら俺んとこ来いよ・・・・・・・・・」

「・・・・・・え?」

は驚いた顔でサスケを見上げる。







「・・・・・フッ・・・・なんてな・・・」

目を閉じ、フッと笑ったサスケの表情は周りの女の子がキャー!!って言うほどの物だったろう。



「全く・・・・サスケって冗談とか言わないほうだから一瞬信じちゃったじゃないの・・・・」


「ククッ・・・お前って本当単純だな・・・・」

「・・・馬鹿にしたな・・・・・・・」

「した」

「・・・・・・・・・」


「もう・・・!私帰る!!」

顔を膨らませて言ったは、とても幼い子のようで、思わずサスケは少し頬を緩ませた。



「・・・・でも、あれは俺の本当の気持ちだからな・・・・」


サスケに背を向け歩いて居るに向って、サスケは小さく呟いた・・・・。


















思わずサスケのせいで家まで帰って来たけど・・・。

どうしよう・・・・・・・・・・・・・・・。









『・・・・謝った方が勝ち!!』

自分に言い聞かせ、部屋に恐る恐る入った。






ナルトはまだ帰って来てないようだ・・・。






安心したは、今日の疲れがどっと押し寄せてきて、目の前にあるソファーで寝てしまった。












ガチャ・・・・・

「ただいま・・・・」




そう言って来たのはナルト。

部屋の中が真っ暗だったので、本当にが家を出て行ったのかと思った。


『やっぱ・・俺が言い過ぎたのか・・・』


ナルト。
反省中。


『・・・・謝るか・・・・・』


そう思い、を探しに行こうとした瞬間、向こうの方から物凄い音が聞こえた。



なんだ?と思い、音のしたほうに行くと・・・・・。









が寝ていた。









どうやらソファーから落ちたようだ・・・・・・。









「・・・痛ってぇな・・ちくしょう・・・」

そう言いながらおきた

落ちた衝撃で起きてしまったようだ。





「・・・・ァれ・・・・ナルトぉ・・・?・・・・おかえり・・・・」

落ちた所をさすりながらナルトに声を掛ける

まだ半分寝ぼけているようだ。





「・・・ただいま」









「ねぇナルト・・・・」




「「ごめん」」



「え・・・?」

丁度自分が謝ろうとしたら、ナルトと声が被り、驚いている



「ごめん・・・・俺が言いすぎた・・・・。本当は凄く心配されてうれしかった・・・・」


「・・・・・・・・」



「ごめん・・・・」


「・・・・大丈夫、私、気にして無いよ・・・」

暗闇の中、表情は見えないと分かっていても優しく微笑む




「私こそごめん・・・・・。大っ嫌いなんて言って・・・」

「否・・・気にして無い」









暫く沈黙・・・。









「あ・・・・ご飯作るね、お腹空いたでしょ?」


そう言い立ち上がり、台所に向おうとしたらナルトに手を掴まれた。


「いい・・・・今夜は・・お前と・・・・・・・一緒に居たい・・・・///」



普段自分からそういう事を言わないナルトに少々驚きながらもナルトの隣に黙って座る


「悪いな・・・・」

「・・・ううん」




「私、今凄く嬉しい・・・・・・」

そういいナルトの肩に頭を乗っける

ナルトはぎこちなくの肩に手を乗っける。





「これからもずっとナルトの事心配するからね」


「・・・・あぁ」


「・・・・なんか変な日本語だな」

「・・・・・確かに・・・・」











静かに二人で笑い、そして甘い夜を送った・・・・。








それからと言う物、毎日のように朝は怒鳴り声っぽい物が聞こえるようになった。

しかし、すぐに収まるそうな・・・【火影談】








END.