少しでも傍から離れると心配で心配で
胸が壊れそうなぐらい締め付けられる感覚が恐い。
王子様と汚い姫
「本当に行くのか?暁の極秘任務」
心配そうに訊ねる。
「当たり前でしょ、任務なんだから」
その問いとは裏腹に明るい返答。
「でも、オレはお前を…」
と進もうとする私の手を掴む。
「大丈夫、私一人で行くわけじゃないし、みんな一緒だから」
と優しく手を私の手で包み込む。
「それに私はもともと暁に選ばれるほど強くないし、この辺で役に立っておかないと迷惑になるから、ね」
最後の言葉を言い終わる前にもう行く準備は整っていた。
「本当にありがとう、私なんかを拾ってくれて」
その笑顔を見た瞬間、言いようも無い不安に襲われる。
それでも止める事はできなかった。
「サソリも頑張って任務成功させなよ」
最後まで無邪気な笑顔を残して行ってしまった。
が今、暁に所属している理由は何も強いとか抜け忍という単純な事では無かった。
アイツはオレが拾ってきた。
あの雨の日、捨てられていた。
雨の中一人佇んでいた、涙も流さずに。
目に生気が感じられず、まるで人形のようだった。
オレみたいに…。
悲しみを通り越したお前を助けたくて思わず連れて帰ったあの日からオレは決めた事がある。
絶対にだけは守る
血も涙ももう二度と流させない と
そんなオレの心配を他所には必死に役に立とうとする。
そして、自分だけを責め、他人を守ろうとする。
オレでさえも守ろうとしている。
こんなにも大切に想っているのに
こんなにも愛してしまっているのにどうして、お前は自ら壊れようとするんだ。
時が経ち、季節も流れ、夕焼けが綺麗な季節。
任務を終えて帰ってきた。
「は何処だ?」
慌てて出迎える。
見渡したが姿が見えない。
「今はあの場所にいるぞ、うん」
決して無傷とは言えない姿で答えた。
「そうか」
冷静な振りして外へ飛び出す。
そう、あの場所とはこの季節の夕焼けがとても綺麗に見える場所だ。
そこはオレ達が出逢った場所でもある。
夕陽の方を向いて小さな背中が見えた。
あの時よりは大きい背中だった。
「…ッ……」
息絶え絶えに必死で名前を呼ぶ。
「あ、サソリ?」
依然元気そうな声で一先ず安心する。
「…よかった、無事で」
「だから、心配しないでって言ったでしょう」
「あぁ」
見るからに元気そうな素振りだが顔、手足には無数の細かい傷や大きな傷がついてた。
「無茶し過ぎなんだ」
と顔の血が出ている傷口をなめる。
「ぇ、サ、サソリ?!」
「またオレは守れなかったな」
「そんな事無いよ、忘れた事無かったよ」
サソリが顔を上げた。
「サソリの事」
「オレなんて頭から離れなかった」
「本当に心配させてごめんね」
サソリの気持ちに触れて涙が浮かぶ瑞々しい瞳。
「…してもいいか?」
問い返そうと思った時には遅かった。
今までの離れていた溝が埋まっていくのがわかるほど甘いキスを受けた。
心配だった事や不安だった事も忘れられるだけ忘れられた。
そして、貴方への愛で心は満たされた。
「もう二度と離れるな」
「うん、離れない」
二人で誓い合ったこの言葉は永遠に守られ、果たされる。
end.
--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
るんね様やっと相互夢完成しましたww
サソリは初めてで上手く書けたか正直解りません_| ̄|○
よければ、こんな駄文ですが貰ってやって下さいm(_ _)m
これからも阿呆な管理人を宜しくお願いします。
るんね様のみの持ち帰りOKですw
whiteberry 湊