「あ・・・・・」
不意に思い出した、ある人物のこと。
20年も前の人なのに・・・・。
記憶の中の人
【想】
あの人が里を抜けたのは20年も前のこと。
私はそのときまだ幼くて、5歳だった。
あの人は15歳で、私にとってはいつも遊んでくれる、優しいお兄ちゃんだった。
まだ小さかったからその時はお兄ちゃんの事をどう思ってたかなんて知らなかった。
でもそのうち気付いたんだ。
それが、初めての恋だったことに。
でも気付いたときにはもう遅かった。
お兄ちゃんは、この里からいなくなったから。
そう、抜け忍びとなって・・・。
お兄ちゃん・・・・会いたいよ・・・・。
サソリお兄ちゃん・・・・・・・・・・・・
月日が流れ、は風の国の上忍になった。歳は25歳。
任務が終わり、ソファに座って寛いでいたときだった。
サソリお兄ちゃんを思い出したのは・・・。
あれから20年たつというのに・・・今でも私の頭の中から消えない・・・。
大好きだったサソリお兄ちゃん。
何処にいるのかな。
ときどき、フッと思う。
私の初恋の人。
会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい・・・・・。
幾度となく思って来た。
けどそう簡単に願いが叶うわけがなくて。
今でも貴方の事を想う私は駄目ですか?
今でも貴方の事を想う私は狂ってますか?
貴方が里を裏切ったことを知っているのに・・・・。
それでも尚、貴方を想い続ける私は・・・・・・・。
サソリお兄ちゃんのことを考えると、涙が止まらない。
ソファの上で涙を拭っていると、戸が叩かれた。
ゆっくりと戸を開けると、そこには風影様(我愛羅様)に仕えている者が。
「大変ですッ・・・!突然“暁”が現れて・・・風影様を・・・!!」
「えっ?!」
「そしてテマリ様方から伝言です!『、暁を追え!ただし単独でだ!』との事です!」
「・・・分かりました!今すぐ行くと伝えといて下さい!」
「御意」
そしては急いで必要な物だけをまとめ、部屋から飛び出した。
「暁・・・・か・・」
はサソリが暁に所属している事を知っている。
そして・・・体が傀儡と言う事も・・・・・。
もしかしたらサソリお兄ちゃんに会えるかもしれない・・・!
けれど、前のようなお兄ちゃんではないのかも知れない・・・。
不安と期待が入り混じる・・・。
ぐっ、と涙が溢れてくるのを堪え、今は任務の事だけに集中するよう、自分に言い聞かせた。
「旦那・・・一人オイラ達のこと追ってきてるぜ・・・」
「あぁ・・・・・・・そんなもん分かってる」
「そういやぁ・・・あの子・・今この国の上忍なんだって・・・?うん・・・」
「・・・・・・・あぁ、そうだ・・・」
「旦那とどういう関係なんだい・・・?ただの妹分とは思えないけどな・・・・ククッ・・・」
「・・・てめぇ・・、殺されたくなければこれ以上口の聞き方に気をつけろ」
「はいはい・・・おっかねぇな・・・ククッ・・・」
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無償に書きたくなってしまった・・・・il||li _| ̄|○ il||li
2006.7/23