あとちょっとで花火大会・・・!
どうしよー!!
ことの始まりは一週間前の、あの言葉からだった。
サクラが突然、来週の土曜、花火大会ね!と言ったのだ。
「花火大会・・・ですか・・・」
サイがポツリ、と呟いた。
「うん!本当は私・・・サスケ君と行きたかったなぁ・・・なぁんちゃって!!」
サクラが不意に言った“サスケ”と言う名。
その場の空気が一瞬にして暗くなった。
「じょ、冗談よ〜!そんなにしらけないでよ・・・!」
「そ、そうだね・・・!」
「ごめんってば・・・」
「ま、サクラはバカみたいにサスケ君にぞっこんだったからね!それに今頃サスケ君も
『春野と花火大会行きたい・・・』って思ってるかもよー!キャー!!」
なんとかその場を盛り上げようと言ってみるものの、盛り上がるのは一瞬だけ。
さすがにキツクなり、他の話題に変えようと、が口を開けた瞬間・・・・。
「・・いくらサスケ君でもキミみたいな人とは行きたがらないと思うよ。」
ニコニコと感情のこもっていない笑顔でサクラに言ったのはサイ。
これにはサクラもカチンと来たのか、今にもサイに殴りかかりそうな勢いだ。
さすがにヤバイと思い、サクラを止めた瞬間・・・。
「に守ってもらうほど僕は弱くないよ。むしろサクラさんよりも強い僕が
そう簡単にやられるわけないじゃないですか。」
作り笑いで言われると余計むかつく・・・!
「サクラ・・・・・。」
「なぁに・・・?」
「あなたを止めた私がバカだった・・・。やっていいよ・・・」
「分かった・・・」
「僕はあなた達のような暇人ではないのでこれで失礼しますね。」
サイはそういうと、ドロンと消えた。
このときナルトは三人のやりとりをただ見ていることしか出来なかった・・・。
何故かって・・・?
口を挟んだらそれが最後だと思ったから・・・。
あれから家に帰るまで花火大会のことしか頭に浮かんでいなかった。
実ははサイのことが好きなのだが・・・・・・本人があんなんだ・・・。
誘うに誘えない・・・。
まぁ、また明日考えればいいか・・・と思い、今日はもう寝ることにした。
それからと言うものの、中々誘うチャンスがなく、とうとう花火大会前日になってしまった。
今日はたまたま任務がなく、は一人で演習場に来て練習していた。
そろそろ疲れてきたので、木にのぼり、上のほうで休むことにした。
少しでもボッーとしてしまうと、すぐに花火大会のことが浮かんでくる・・・。
急に眠気に襲われたので、目を瞑り、ウトウトし始めたときだった・・・!
誰もいないはずの隣から突然声が聞こえた。
「女性の寝顔は天使のよう、って言いますが、あなたには全く当てはまらない言葉ですね。」
ビックリして隣を見ると、いつの間に登って来たのか、サイがいた。
勢いよく振り向いてしまったためそのまま勢いで後ろに倒れそうになった。
そんな私を見てサイが、「なにやってんですか。ただでさえバカなのに、落ちて頭打ってこれ以上のバカになったらどうするんです。
シャレになりませんよ。」って言いつつも、助けてくれた。
「だっていきなり現れるから・・・。」
「、あなたそれでも忍びですか?」
「だってサイ、気配の消しかた上手なんだもん・・・」
「あなたよりはね」
「そ・・・それにサイが私の寝顔・・・」
だんだんと涙声になっていく。
そんなを黙って見つめたあと、口を開いた。
またなんか言われるんだろうなぁ・・・と思いながらある程度覚悟した。
「・・・・・あれは嘘です。」
「?あれって?」
「あなたには全く当てはまらないですね・・・って奴です。」
「ほ・・・本当に?」
「僕は本当のことしか言いません。」
「あ・・・そっか・・・」
「はやっぱバカですね。」
「・・・はぁ?!」
「まぁ・・・それを全部含めてそんなのことが好きなんですけどね・・・・」
サイはコホン、とわざとらしく咳払いをすると、と正反対の方向に顔を背けた。
「え・・・・・・・・・・・・・?今・・・な、なんて・・・・」
「・・・・・・・・もうあんなセリフ二度と言いません・・・。」
少し照れ臭そうに答えたサイ。
「サイ・・・・カワイイ・・・」
失礼かな、とは思いつつもつい口に出してしまった。
その言葉を聞き、サイはのほうに視線を戻した。
「・・・それは自分のことを・・・言っているのですか?」
それを言うのと同時に、サイの顔が急接近してきた。
はそれに答えるかのように静かに目を閉じ、二人の唇が重なった。
そしてゆっくりと唇を離す。
「・・・ねぇ、サイ」
「・・・・・なんです?」
「明日の・・・花火大会、一緒に行かない・・・?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
固まって、無言のまま何も言わないサイ。
「サイ・・?」
「・・・・奇偶ですね。僕も今、誘おうと思ってたところです。」
あれ・・・今サイが・・・笑った・・・・・・。
いつもの作り笑いじゃなく、ちゃんと感情のこもった笑顔・・・。
そのサイの笑顔から、嬉しい・・と言う気持ちが伝わってきた。
「サイ・・・!今ちゃんと笑えてたよ・・・!」
私がニコニコで言うと、サイは笑い返してくれた。
「本当ですか・・・?」
「うん・・・!とてもいい笑顔だったよ!」
本当に嬉しそうに笑うを見て、サイはまた微笑む。
「もし本当にそうだとしたら、のお陰ですね・・・」
そして再び二つの陰が重なった・・・。
おまけ。
花火大会当日・・・。
ちゃんと浴衣を着て、髪の毛も美容院で整えてもらい、サイとの待ち合わせ場所に急いで向かう。
既にサイは着いていたらしく、壁によりかかっていた。
「ごめん・・・!待たせちゃった??」
「・・・・一時間・・・」
「えっ、うそ!」
「うそ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。あ!それよりサイも浴衣なんだね!いつもとフインキちがってびっくりしたよ!!凄く似合ってる!」
「ありがとうございます。・・・・・孫にも衣装・・・とは、あなたのような人の事を言うのですね。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「嘘ですよ、とてもよく似合っています。見直しましたよ」
クスクスと笑うサイ。
「・・・・・サイ、大好きだよ!」
「・・僕もですよ。」
ずっとこの幸せが続きますように・・・☆★
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サイがさんのことを何故呼び捨てなのかは聞かないでさい・・・il||li _| ̄|○ il||li
気が付いたらそうなってたんです・・・はい・・・orz
それからNARUTO世界に美容院があるのかは、あえて突っ込まないでさい・・・orz
あるといいんですが・・・(´'ェ')
まぁサイだからいいんです!!【何が
実は私、サイ大好きです!
あの毒舌がまたいいですよねw藁
初のサイ夢・・・でした。
今の時期と言ったら花火大会だと思ったので・・・。
サイが浴衣・・・・・・・・うあー有り得んけどサイコー!!【黙れ
2006.7/28