アルバム
「ネッジっっ〜〜〜♪」
そう言いながらネジに駆け寄る少女の名は、同じ下忍の【 】
一応ネジの彼女に当たる人物。
「・・・何度言えば分かる。俺の名はネッジじゃなく、ネジだ」
そう言いながらでも、自分が惚れこんでいる女の事だ。なかなか注意できない。
・・・俺は相当に惚れこんでるな・・・
そんな事を考えながら、が来るのを待つ。
「ハァハァ・・・・ご・・ごめんごめん;;それよりさぁ〜、こんなの見つけちゃったんだよね〜♪」
そう言いながら、手元にあったアルバムをネジに見せる。
「・・・確かこのアルバムは、俺達が出会った時の記念として作ったものだったな・・・」
このアルバムの中には、と俺の、二人だけの出逢った時から今までの思い出がおさめられている。
「うん!そうだよぉw たまたま部屋の整理してたら、見つけちゃったんだwwそれでせっかくだし、ネジと見ようと思ってさ!」
そう言いながらアルバムを開く。
大切に保存してあったためか、染み一つ無かった。
これからの話しは過去にさかのぼる。
「○月×日 ネジとの初めての写真」
そう書かれており、下には写真が貼ってあった。
ネジとが横に並び、微笑んでいる。
・・・しかし、ネジの場合は微笑んでいると言うより、無表情だ・・・・・・・・・。
「・・・ネジ・・・ちゃんと笑おうよ・・・?」
にそう言われ、
「今更言われても遅い」
と答えた。
確か・・・あの時はこんな事があったっけ・・・
―が忍びとしての道を一歩踏んだときにさかのぼる―
「今日からアカデミーだっ!ヤッタァ♪」
そう言いながら自分の教室の扉を開ける。
そこには自分と同じ年の子がたくさん居た。
『人数多いなぁ・・・』
そんな呑気な事を考えていると、後ろから扉が開く音が聞こえた。
振り返ってみると、そこには自分と同じ年の男の子が立っており、長い髪が後ろで一つに束ねられ、目が白っぽい人がいた。
『変わった目の色をしてるなぁ〜・・・』
またもやそんな事を考えながら男の子の顔をじっーと見ていると・・・
「何を見てる。俺の顔になんかついてるか?」
少々怒り気味な声で言った。
・・・性格悪っ!!
「い・・・いえ、何もついてませんよ」
そう言い、私はその男の子から逃げるように適当にそこらへんの席に座った。
その男の子は、と言うと、「フン」と鼻を鳴らすと、の席から少々離れた所に座った。
しばらくして、私達の担任と思える先生が入ってきた。
アカデミーの説明が終わり、もう帰っていいぞ。
と言われ、帰ったが、帰り途中に忘れ物をしてしまった事に気付き、教室に戻り、なんとなく自分の席に座って考え事をしていた。
もう教室には誰も居なかったので、怖いぐらいに静かだった。
もう誰も来ないから、少しぐらい残ってても平気か・・・
そんな事を考えていた直後、誰かが教室の扉を開けた。
そっちのほうを見ると、そこにはあの性悪男がこっちを見ながら驚いた様子で立っていた。
うわ・・・最悪・・・・!!なんでコイツに逢わなきゃいけないのよ・・・。
「・・・どうしたの?忘れ物?」
が尋ねると、その男の子は、
「あぁそうだ。お前もか?」
「うん。でも、考え事もしてた」
あんまりこの場に居たくないと思ったは、
教室から出ようと、自分の席から立った瞬間、
「・・・お前の名はなんと言う」
そんな風に尋ねられ、少々驚きつつも・・・
「・・・・・・デス。貴方は?」
「日向ネジだ」
「日向・・・さん・・・?」
「・・・ネジでいい。俺もお前の事って呼ぶから」
それから他愛ない会話を少々した。
ネジの最初の第一印象はマヂ最悪だったが、いざ話してみるとそうでも無かった。
外を見ると、もう真っ暗だった。
「・・・そろそろ帰ろうか?」
がそう言うと、
「あぁ、そうだな」
そう答えると、二人は静かに教室から出た。
「ネジはどっち方向?」
「・・・あっちだ」
「・・・・・・・・・・私と同じ方向だ・・・。途中まで帰ってもいい?」
「あぁ」
少し冷え切った夜空の下を歩きながら、私は疑問に思っていた事をネジに投げかけた。
「あのさ、気になってたんだけど、ネジの目は何で私達と違うの?」
少々しつれいな言い方になってしまったが、ネジはすんなりと教えてくれた。
「俺の一族は『百眼』って言うものがある。つまり・・・日向一族独得の血継限界だ」
「そうなんだ・・・それが百眼なんだ・・・。・・私の一族にも血継限界があるよw 特別ネジに教えてあげる」
「・・・?」
「私の一族、の血継限界は、『宗麟』と言って、自分の命と引き換えに、相手をよみがえらせる事ができる血継限界なの・・・。
だけど、その血継限界は、本当に・・・本当にごく僅かな人だけに与えられる品物なのよ・・・」
「自分の命と控えに・・か・・・・・とんでもないものだな」
「そうね・・・だけど、私は私でこれでいいと思うよw」
「何故だ・・・?」
「だって・・・大切な人を守れるじゃない・・・」
そう言って微笑んだだが、ネジには それが少し悲しい表情に見えた―。
その時のの姿はとても美しく、
強い希望に満ち溢れていた―
その時点でもう。。。俺はコイツに溺れていたのかもしれないな・・・・。
長い月日が流れ―
下忍になるチャンスが訪れてきた。
ネジは必ず下忍になれる。と言われていた。
・・・もちろん、も・・・。
この二人はお似合いのカップルなどと言われていた。
の容姿も、そこらへんの綺麗な人にも負けないぐらい、もっと綺麗だったから。
実際はネジとは付き合ってなど居なかったが、
下忍になり、二人はスリーマンセルも別になり、なかなか逢う機会が無くなってしまった―
そんなある日の事だった。
今回、たまたまは任務が早く終わり、家でくつろいで居たときだった―
コンコン。
ドアをノックする音が聞こえ、誰だろう?と思い、ドアを開けた。
そこには、懐かしのアノ人・・・そして、いつしか惹かれていったアノ人が・・・
「・・・久しぶりだな」
「ネジ・・・あいに来てくれたんだ・・・」
そう言いながら自分の部屋に招きいれた。
「今日はの任務が早く終わった、とたまたま聞いたものだったからな・・・」
頬を少し染めながら言った。
「今日は・・・に言いたい事があって来た」
「・・・?」
「俺にとって・・・・・・・・お前は友だった・・・」
「・・・・」
元々分かって居たが、さすがに愛する人の口から直接聞いて、ちょっとショックをうけた・・・。少々顔を曇らせてしまったが、ネジは生憎気付いていないようだ。
「しかし、それは前までの事だ」
「・・・ぅん・・・」
「今は・・・が好きで・・好きで・・・・・・・仕方ないんだ・・・」
頬を真っ赤にしながらも懸命に言うネジ。
「・・・・ぅん・・・・・・・?・・・って。。。えぇ?!」
どうせ・・・みたいな事を考えていただったが、ネジの言葉を聞き、これまでに無いぐらいに頬を染めた。
「は・・・どうなんだ・・・・・・・・?」
赤い顔をしたままに尋ねるネジ。
「・・・・・・・私だって・・・気付いたら・・・貴方の事が好きで好きでたまらなかった・・・。だけど、ネジはどうせそんな事思ってないだろうと思って・・・だから・・・っ・・・?!」
続きを言おうとしたが、ネジに抱かれてしまった。
「・・・俺がそんな事思うわけないだろうが・・・アホ」
「・・・・アホは余計よ、バカ」
その途端、二人はクスクスと笑い出した。
「「お互い様(ね・・・)(だ・・・)」」
声を揃え、二人はそう言った。
「・・・この頃はそういえばこんな事があったね・・・w」
「あぁ、今となってはもう、思い出だがな」
「あの時はうれしかったな・・・」
「何を今更・・・」
「あ・・・私これから任務があるから・・・」
バイバイ、と言おうとした瞬間・・・
「あの後の事・・まだ覚えてるか・・・?」
「・・・?」
「俺はお前だけが欲しい・・・ってな・・・」
そう言い、不適に笑うネジ。
はと言うと・・・顔を真っ赤にし、固まっていた。
「ぅん・・・覚えてる・・・ょ・・・///」
「・・・それより任務があるんだろ?行かなくていいのか?」
「あっ!今行く!それじゃあまた♪」
そう言い、前を向く。
「・・・・・・・・・・・」
名前を呼ばれ、後ろに振り向いた瞬間、唇に何かが当たり・・・
だが、その人物はもう消えていた。
暫くしてから我に返り、先ほどされた事を思い出し、
一人で笑いながら顔を赤くさせていた。
「あの時からちっとも変わってないんだから・・・w」
次逢った時は、お返ししてやろう・・・w そう思いながら・・・
は微笑み、その場を後にし、消えていった―
終わり。
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2006.2.21 修正